2013年7月30日火曜日
コンラート・ツーゼ「計算する宇宙」その7
梅雨の戻りのような蒸し暑い日が続いています。
けれども,雨の日こそ三余のうちの一つ。
ここぞとばかりに勉強していきます!
今回は第5節:An idea about Gravitationです。
本節に "the special relativity theory" という語が出てきて,前節に出てきた "specialized theory of relatively" が「特殊相対性理論」の事だったんだ!と分かりました。
単語の並び順によって,ピンときたり来なかったりするもんですね。
というわけで,前節に出てきた,
「マクスウェル方程式は相互作用に関する特定の理論に対して不変である。」
を
「自然(ここのnatureは,”自然”なのか”性質”なのか...)が用いる場の側方の拡大というトリックの結果,相互作用に関する特定の理論が基礎づけられた」
と言い換えることができる。
という部分を正しく訳すと,
「マクスウェル方程式は,特殊相対性理論に対して不変である。」
を
「電磁場が拡大する際に生じる,場の側方の拡大により,特殊相対性理論は基礎づけられた」
と言い換えることができる。
とずいぶんスッキリしましたね(訳自体も再度見直しましたが)!
形容詞をゴテゴテと伴う名詞に,「特殊相対性理論」なんて洗練された名前を与えると,文全体もスッキリしますね。
いい勉強になりました。
さて,前節において,電荷の移動と,それに伴う電磁場の発生,特殊相対性理論を裏付ける電磁場の歪み,を扱っていました。
本節では,電荷を質点と読み替えて行くことで,重力場について短く述べています。
マクスウェル方程式が重力に対しても成り立つとすると,質点の移動により生じる重力場に特殊相対性理論を適用することができる。
また,質点の分布に基づく天体のメカニズムにも,特殊相対性理論を適用することができる。
#今回は単純に訳しただけの部分は色付きで表示してみています。
なるほど。
電荷と質点には同様なアナロジーが成り立つわけですね。
と,ここで変わった表現に出くわします。
私たちの観測範囲の中で,天体の相対速度は光速の1万分の1のオーダーであるため,gravitational magnetic field は観測できないほど弱い。
electro-magnetic field ならぬ gravitational magnetic field。
電荷というある量を持つ点が動く時と同様に,質量というある量をもつ点が動く場合でも,磁場が発生するということでしょうか。
そして,例えば質量による力である重力(引力)は,電荷による力であるクーロン力に比べて非常に弱いため,通常は重力による磁場は観測できないってことでしょうか。
重力と磁力の関係についてはあまり聞いたことがなかったため,なかなか面白い発想だなと思いました。
アナロジーって人類の知恵って感じがしますね。
という非常に短いながらも,興味深い点を示唆した本節でした。
その8に続く!
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重力と磁力といえばこんな本もありましたね。
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